三味線と二胡 こんな楽器です!

 三味線はリズム楽器とメロディ楽器、両方の特徴を持つ世界でも珍しい楽器!

みなさんは、「三味線」の音色、聞いたことがありますか? 沖縄民謡に出てくるアレを想像したあなた、そうですね。でも、アレは正確には「三線」と呼ばれています。吉田兄弟のアレを想像した方もいらっしゃるでしょう。そうですね。アレは正確には「津軽三味線」と言います。どちらも、三味線ですが、楽器の形によって、それぞれ、区別されています。

三味線の種類はまだまだありますよ。細棹、中棹、太棹。これで、大体、現在使われている三味線は大体勢揃いしたことになりますね。 

      2010.06.01

 三味線渡来五百年!

 沖縄に三線があることからも分かるように、他の多くの楽器と同じように、三味線も渡来楽器です。ただ、その渡来経緯については資料があまりにも少なくて、つぶさには分かっていません。
 江戸時代の文献に基づき、その渡来期は永禄年間(1558~1570)とするのが通説となっています。

 永禄年間(永禄五年とも)、琉球渡りの蛇皮を張った二本弦の楽器を、堺の仲小路という琵琶法師が琵琶をモデルに改良、三本弦にして使ったとする説や、それより下る文禄年間、仲小路が後石村検校となった時に改造したとする説、また仲小路という散所の石村検校が、琉球に渡って弓で弾く三本弦の楽器を演奏、後にそれを京都に持ち帰って三味線に改造した、等、諸説があります。

 そのどれもが確定的要素に欠けているのですが、、様々な文献を付き合わせたかぎりでは、永禄年間渡来説がどうやら一番信憑性があるようですね。

 原型となった楽器も、中国の三弦だとする説や、もっと別のルートからアラビアペルシャの始祖楽器が伝わってきたという説等々、これもやっぱり定かには分かりません。

 唯一確かなのは、ある楽器が日本に渡ってきて劇的な変化を遂げたということです。

 

 全体を琵琶に近づけるように大きくし、どうには犬や猫の皮を張り、先の尖った撥を使い、サワリを発明しました。
 さらに細部にこだわる日本人は、音の響きがよくなるように、胴の内側に波状の細い溝を幾筋にもつける「綾杉」という技術も生み出しています。

 ともあれ、日本人は基本的に、擦弦楽器の音色よりも昔の琵琶的(撥を使う)な、撥弦楽器と打楽器をを組み合わせた音色に強く心惹かれていた民族であるのは、間違いないようです

(2013.7.10)

 三味線いろいろ

 一口に三味線といっても、いろいろな種類があるのはご存じだったでしょうか?

 長唄、義太夫、常磐津、清元、地唄、小唄、端唄……。
 
  一つくらい耳にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。

 三味線演奏家は、こういった違いを「流派の別」と呼んでいます。
 簡単に言えば、「作曲者の癖や曲調によって、演奏方法や楽器の形が少しずつ違っていった」、ということです。
 ですから、各流派の呼び名が、義太夫、常磐津、清元等と、創始者(演奏者並びに作曲者)の苗字にもなっていることが多いのです。

 各流儀の曲調や演奏法の違いなどについてはまた後に譲るとして、今回は、楽器自体の違いについて説明しましょう。

 大きく分けて、三味線には「太棹」「中棹」「細棹」の三種類があります。

 読んで字のごとく、太棹が最も大きく、次に中棹、細棹が一番小ぶり。
 ただし、大きさが変わるのは、棹の太さと胴体の大きさだけで、棹の長さはほとんどどれも変わりません。
 棹と胴が太く大きくなれば音色も太くお腹に響くようになりますし、細く薄くなれば高く軽い音になります。どんな音色を出したいかで、各流派の使う三味線も定まってくるわけです。、

 「太棹」を主に使うのは、義太夫節です。義太夫というのは、「文楽」で人形の動きに合わせて語られる音曲のことですね。この義太夫節から派生している「祭文」も太棹を使っています。今流行の「津軽三味線」も、元々のルーツは祭文の門付けですから、使っている三味線も「太棹」です。

 「中棹」を使うのは、主に常磐津、清元等義太夫から派生した豊後系浄瑠璃と、小唄端唄や地唄といった流派です。太棹のような五臓六腑を震わせるような響きはありませんが、細棹のように軽い音でもない、美しく語るにはちょうどいい音色を出すことが出来ます。

「細棹」を使うのは長唄です。長唄はもともと三味線が主役の「唄物」なので、速いリズムが弾きこなせるように三味線を小ぶりにしてあります。その分、ズンとお腹に響く音色は出ません。

 太棹がブルースなら、中棹はジャズ、細棹は現代ポップス、といったところでしょうか。

(2013.7.10)

 



 二胡は古くて新しい楽器

 「古くて新しい」って、なんだかちょっと矛盾していますが、「二胡が古くて新しい楽器だ」というのは、ほんとうです。

 二胡のルーツは中国よりももっと西方にあると言われています。遠くペルシャのあたりですね。

 唐時代になると、似たような弓弦楽器を奏でる記述がいろいろな文献に出てくるので、おそらく、この頃までには広く広まっていたのではないかと考えられています。

 中国では、このあたりの地域を「胡」と呼び習わしていたので、昔は、ここから伝わってきた弓弦楽器のすべてを、「胡琴(フーチン)」と呼んでいました。

 胡琴にはいろいろな形が有り、それぞれ呼び方も違っています。
 二胡、高胡、中胡、京胡、板胡……。どれもがずっと長い時間をかけて、人々の間で楽しまれてきました。

 その中でも、、特に江蘇省や浙江省など南の地方で盛んに愛好されていたのが、二胡です。その証拠に、二胡には「南胡」という呼ばれ方もしていました。

 でも、その演奏のされ方は今とは少し、違います。少し前までの二胡は主に伴奏楽器として演奏されるだけの楽器。ソロ楽器として通用するほど洗練された楽器ではありませんでした。

 二胡が、現代の皆さんが知っていらっしゃるような形状に定まったのは、つい最近のことです。

 第二次大戦後、中国は「中華人民共和国」となったのを機に、民族音楽を重視するようになり、民族楽器そのものも改良が重ねられて、飛躍的な発展を遂げていきました。

 二胡は今のような形に落ち着いてから、まだ百年も経っていないのです

 まさに、「古くて新しい楽器」ですね♫

(2013.7.10)

 胡琴あれこれ

  今回は、二胡の仲間についてもう少し詳しくご説明しましょう。

  二胡(アーフー)

 皆さんが知っていらっしゃる一般的な「二胡」です。二本のスチール弦を張り、その間に挟まった弓毛で、上駒(千斤)と下駒の間の弦を擦って音を出します。弦が棹から浮いているのが特徴。台座が平板な「北京式」と台座に窪みがある「上海式」の二様式があります。
 また、胴も六角形、八角形、丸型があります。

  高胡(ガオフー)

 二胡よりも高音域を演奏したい場合に使われます。
 二胡よりも棹、胴共に小ぶりで、甲高い音が特徴。開放弦を二胡より4度から5度高くチューニングします。基本的な形状は二胡とほとんど変わりません。
 この楽器も様式が定まったのは20世紀に入ってからで、粤劇(中国の民間演劇)の伴奏のために二胡を元に考案されました。今では広東音楽には欠かせない楽器になっています。

 中胡(ジョンフー)

 こちらは、二胡よりも低音を演奏したいときに使われます。
 二胡より棹胴とも大ぶりで、ぼーっと太い音色がするので、合奏の時などはベース的な扱いをすることが多いようです。
 開放弦を、二胡よりも4度から5度下げてチューニングします。

 京胡(ジンフー)・京二胡(ジンアーフー)

 京二胡の形状は、小ぶりだという以外は、二胡とほとんど変わりません。
 京胡の方は見ただけでも違いが分かります。胴は竹筒、皮もニシキヘビではなく、もっと薄い青蛇を使っています。京二胡よりも音はさらに高くて、キイと甲高く金切り声に近い音がします。
 これらは、名前の通り京劇の伴奏に使われる楽器。
 京胡、京二胡、月琴のトリオは京劇伴奏の三大楽器です。

 
   

 (2013.7.10)

(2013.7.10)